骨と筋肉を繋いでいるスジを「腱」と呼び、その腱が正しく動かせるように誘導してくれる通り道にあるトンネルを「腱鞘（けんしょう）」と呼びます。 腱鞘は腱を保護し、摩擦を減少させる役割を持っています。しかし何らかの原因で腱鞘が炎症を起こして分厚くなり内腔が狭くなると、腱がスムーズに動くことができず摩擦を生じてしまいます。それが「腱鞘炎」です。主な症状には、痛み、腫れ、熱感、運動制限などがあります。痛みは特に関節を動かす際に強く感じられることが多く、腱がこすれる摩擦音（クリック音）がみられることもあります。腱や腱鞘は全身のさまざまな部位に存在していますが、主には使う頻度の多い手首や指に発症します。スポーツや仕事で手や指を良く使う人に見られるのが特徴で、妊娠・出産期や更年期に女性ホルモンのバランスの崩れがきっかけとなり発症することもあります。近年はスマートフォンの長時間利用で親指の腱鞘が炎症する“ドケルバン病”や“ばね指”を発症する人も増えてきています。
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